素敵なお客様

南極クルーズでの感動のひと時のお話です。フラム号は南極で最も美しい海峡のひとつルメール海峡を航行していた。夜の22:00頃、美しい極北の太陽が沈みながら、氷河を抱き切り立った山々を真っ赤に照らし、山の頂上はキラキラと光っていた。誰もがその圧倒的な美しさにただただ見惚れていた。海峡を通り過ぎた頃陽は沈み、乗客はそれぞれ満ち足りた顔で客室に戻っていった。客室への帰り道、アメリカ人のおばあちゃんと話しをした。おばあちゃんは84歳、アフリカ系の方で手が不自由な人だった。ご主人を亡くし、娘さんが南極クルーズをプレゼントをしてくれたそう。本当に素晴らしい笑顔で『生きていて本当によかったわ!この地球に感謝します』と語ってくれた。おばあちゃんの若いころは、きっと人種差別があったと思うし、手が不自由だからとても大変な思いをして生きてきたんだと思う。そのおばあちゃんが『生きていてよかった』と言ってくれたことに思わず涙がでそうになった。南極はそんなミラクルな気持ちになれる場所です。これからもおばあちゃんが幸せな人生を送れますようにと祈った。